フォークソング特集(改訂版)
だいたい日本のフォークなんてぇのは・・・
もともと日本にあった演歌が戦後のアメリカンフォークの影響を受け独自の発展を遂げており弾き語りからバンドスタイルまで幅広く指し示す。60年代
後半には反戦フォークが全盛期を向かえ、70年代
前半までにプロテストフォーク、叙情派フォーク、
四畳半フォーク、アングラフォークなどがあった70年代後半以降のフォークは商業性が強くなり、
メッセージ性が薄いとされ従来のファンにはあまり評価されていない。今回は
前回の特集で取り上げなかった歌手やグループをプラスしました。
日暮し
1972年に忌野清志郎のバンド仲間だった
武田清一を中心に結成。1977年12月に出たシングル「い・に・し・え」がヒット。79年に解散している。アルバムとしては日本コロンビアで出した最初の3枚よりビクターから出した後半の2枚のアルバム「ありふれた出来事」「記憶の果実」の方が評価が高く、フォークというよりもシティーポップよりの音楽ファンに受けている。(現在CDとレコードで復刻されている)
Vo.の柳原尚美は解散後に杉村尚美としてドラマ“炎の犬”の主題歌
「サンセットメモリー」で大ヒットを飛ばす。
井上陽水
1969年にアンドレカンドレ名義で
デビューするも振るわずレコード会社を移籍後の1972年に再デビュー。
1973年、シングル「夢の中へ」がヒット。12月に出した3枚目のアルバム「氷の世界」は日本で初めてのミリオン・ヒットとなる。80年代に入ってもシングル「リバーサイドホテル」「いっそセレナーデ」「少年時代」、さらに中森明菜に提供した「飾りじゃないのよ涙は」などが大ヒット。1999年に発売されたアルバム「GOLDEN・BEST」は200万枚を超える売り上げを記録した。
加奈崎芳太郎
1971年に仲井戸麗市とのフォークグループ“古井戸”でデビュー。72年に「さなえちゃん」がヒット
独特の歌声から繰り出される切なさや苦しみ、歓びなどの表現が素晴しく日本のフォークシンガーの中でも最高峰の一人と言われている。2015年にはチャボと再び同じステージでライブを行う。
西岡恭蔵
1972年ソロデビュー。代表曲の「プカプカ」は多くのアーティストにカヴァーされる名曲として有名。歌詞の“あん娘”のモデルはジャズシンガーの安田南らしい。それまでの政治的なフォークや内向的なフォークと真逆の大陸的で湿っぽさが微塵もないサウンドが良い
遠藤賢司
自称“純音楽家”1969年デビュー。ハープとギターを巧みに駆使するブルーステイストの強いハードなフォークサウンド。パンクにも通じる鬼気迫るライヴパフォーマンス。猫を飼っているので歌詞に猫がよく出てくる。
高田渡
10代の時に岡林信康らと「三億円強奪事件の唄」「自衛隊に入ろう」「生活の柄」といった
アメリカ民謡に歌詞を付けた歌を作り発表する。1971年に出た1stアルバム「ごあいさつ」
はフォークの名盤として有名。